当医院ではインプラント治療をおこなっておりません
以前、院長は当院開設以前にはインプラント治療に携わっていました。
しかし、自己資本で当院開設にあたり、インプラント治療はその特性において、院長の医療理念からは到底受け入れがたいと判断するに至りました。
インプラントは歯を失ったところに、外科手術でチタン合金の人口歯根を打ち込み、歯の代替物として機能させる医療機器です。
入れ歯と違って日常生活において、取り外しはおこないません。
骨と直接結合しているため、もともとあった天然歯と同じような?み心地を得られるといった素晴らしい利点があります。
なぜ、このような素晴らしい医療を当院ではおこなわないのか？
それはインプラントには、インプラントをすすめる医療機関では絶対に教えてくれないリスクがあるからです。
それでは、なぜ当院が「脱インプラント」を掲げるに至った理由を説明していきます。
インプラントはベストの選択肢か？
インプラントは健康状態・経済状態など他の因子を除外して、単体で考えるとベストな選択肢であると考えます。
もともとあった天然歯同様かめるのですから。
しかし、年齢・健康状態・経済状況といった、環境因子を含めて考えると到底最良とは言い難いというのが、当院の判断です。
インプラントはダメになる
インプラントは一生高度な清掃・管理が必要
インプラントは「第二の永久歯」「一生つかえます」などと吹聴する歯科医などがいます。
しかし、インプラントは永久にもつものではありません。
インプラントは天然歯が歯周病になるのと同様に、インプラント周囲炎にかかります。
インプラント周囲炎にかかったインプラントは、最終的には撤去を必要とする状態に至ります。
この撤去に至る時期が問題なのです。
インプラントが除去を必要とする理由の多くは清掃不良によるインプラント周囲炎です。
インプラントは個人による十分な清掃に加え、定期的な通院によるケアが必須となります。
インプラント治療をおこなったら終わり、ではなく高度なケアが必要になるのです。
困ったことに、インプラント周囲炎の原因の清掃不良は、高齢になればなるほど増大します。
人間、一生を通じて無病息災でいられる人は極めてまれです。
寝たきりになったり、介護が必要になったりします。
また老後に子供の下に引き取られ生活の場が変わる場合もあります。
はたしてそのような状況で、インプラントを打った歯科医院に通院し管理し続けることが可能でしょうか？
入れ歯ですらはめるのが大変になる高齢者に、きちんとしたインプラントのお手入れが出来るのか？
介護の人に（介護保険制度が破綻していないと仮定して）、ちゃんとしたインプラントのお掃除をしてもらえるのか？
それが出来なくなったとき、インプラントは厄介な障害として患者に立ちはだかります。
さらに、インプラント治療をおこなってから、長持ちすればするほど患者は高齢になります。
そして70歳代の７割の人は、高血圧症、脳血管障害、糖尿病、循環器疾患などの基礎疾患を抱えています。
このような基礎疾患を抱えている患者にとって、インプラント除去手術は、大変危険な手術となりえます。
それどころか、手術が不可能なため、ひたすら抗生物質を投与され、痛みや苦痛をただただ我慢されている患者は終末医療の現場ではたくさんいます。
